近況その他あれこれ - 94
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菊谷秀子さんが神奈川大学大学院の研究論集に論文を発表

kikutani 菊谷秀子さんは子育てが一段落されてから「法律を学びたい!」という若いときからの夢を実現させるべく神奈川大学大学院に入り研究を続けてこられました。家事もこなされさらには神奈川県の女性問題の相談ボランティアなどの活動にも積極的に取り組まれ、現在は博士課程に在籍、看護学校でも教えていらっしゃいます。

 このほど同大学研究論集に論文を発表され、私の方に一部を送っていただきました。大変専門的なもので素人の私には充分理解できないのですが、そのテーマ、切り口とも研究者としてばかりでなく、相談員・主婦・母親としての経験のすべてが結実した素晴らしいものです。彼女の努力を称えるとともにこのようなクラスメートの存在を誇りに思っております。そこで菊谷さんに勉強の経過をお話いただくとともに、論文を添付する形で私たち素人にも解説をつけて頂くことをお願いした次第です。論文の掲載については神奈川大学大学院法学研究科に許可を頂いております。 (篠崎多由美)

 ご厚意に感謝し、まず勉学の経緯をお話ししてから、拙稿についてご説明いたします。何かしらのご参考になれば幸いです。

 神奈川大学法学部は拙宅から徒歩17分と至近にあり、48歳(1993年)のときに科目等履修生になりました(単位のとれる聴講生のようなものです)。ちょうど私の母、夫の父を相次いで看取り、平行して末子も成人し、永らく生活の大半を占めてきた家庭的な責任が劇的に軽減したときでした。

 むかし上智で選択履修した「民商法演習」が面白かったことも、法学を考えた動機の一つです。弁護士でもある岡部眞純先生からは、「電車に乗るときキップを買うのは、どういう意味かい?」などと、日常生活を契約の視点から読み解くことを教えられ、授業の一環として裁判を初めて傍聴したことを、懐かしく思い出します。

 神奈川大学では「裁判法」の受講がきっかけで、萩原金美先生(民事訴訟法・裁判法の泰斗、元裁判官)のゼミで指導をうけることができたことから、引き続き98年に大学院に入り、先生のもとで民事訴訟法を専攻してきました。とりわけ裁判以外の方法による紛争の解決(ADR)に関心があります。

ronbun 添付した論文は、「『相談』と紛争解決システムに関する一考察−『相談』の機能を中心として−」と題して、「神奈川大学大学院法学研究論集bP7」(2009年3月発行)に掲載されたものです。私が日ごろ携わる「相談」という仕事(拙稿39頁注5)が、トラブルを解決するための諸手続とどのような関係にあり、どんな役割を担っているのかについて考えました。相談の機能を5つ析出し(W〜[章)、全体としての紛争解決システムのなかで、相談は相談として独自の機能を果たしているのだということ(V章)を、新たに主張したつもりです。

 おそるおそる発表したところ、拙稿をお送りした諸先生から、「ADRに関連して相談のもつ意味に目を向けた点は、新しい問題意識」、「未開拓の分野の実情を知るうえで有益」、「相談とADRの双方に、在り方の検討を迫るもの」、「共感する点が多く参考になる」、「ADRと『相談』を峻別すべき点は同感」などの極めて好意的なご返信を頂戴し、関心を持って読んでいただけたことに感謝しています。同時に、考察の至らない部分が沢山あることもわかりました。今後は、いただいた指導と助言を糧に、さらに思考を重ねたいと思っています。

 論文を、決められた期日までに完成させる過程で、指導教授はじめ本大学院の先生方から厳しくも的確な指摘を受け(50頁謝辞)、自分の愚かな頭の中が丸見えになる思いがしました。一方で、先生方とのやりとりを反映すると、目に見えて論考が引き締まってくるのが自分でもわかり、思考を整理し文字によって表現することの、困難と面白さを同時に味わうことができました。お忙しいことと存じますが、お手すきの折りにでも、ご高覧いただければ幸いです。

◆論文の本文はこちらにpdfファイルで収録しています。是非ご一読ください。


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上智大学外国語学部英語学科 昭和39年入学43年卒業組ホームページ
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